インフォコム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:竹原 教博)は、大分県内で利用されている「大分県遠隔画像伝送システム」のリニューアルに当たり、同システムのクラウド化を含めたシステムの構築を行いましたのでお知らせします。
 これは救急車内での患者の容体や心電図などの情報を、医療機関にリアルタイムに伝送するシステムです。今回のリニューアルでは、既に導入されていた①映像、②位置情報、③心電図の3つのシステムの統合とクラウドへの移行を実施。併せて県下の主要24病院と全消防本部への導入が進められ、救命率向上に役立てられています。同様のシステムを県下全域へ導入する例は他県に類を見ない事例です。

背景

 大分県では、大分大学医学部附属病院が中心となって救急医療現場における迅速な対応や患者の救命率の向上に向けた取り組みを行っています。2014年4月に大分県遠隔画像伝送システム連絡協議会が発足し、2014年7月には救急車の位置情報と車内の映像データを医療機関とリアルタイムで共有する「大分県遠隔画像伝送システム」の運用を開始。県下の4救急救命センターと10消防本部に導入していました。インフォコムは運用開始当初より協力しており、映像伝送システムV-FAST(ブイファスト)」をはじめとしたシステムの構築を担当しています。2017年7月には12誘導心電図伝送システムも追加され、さらなる救命率の向上に役立てられています。

 一方で、すべての病院・消防本部に導入されておらず、地域によって救命率の差が生じる可能性が危惧されていました。また、導入当初のハードウェアの耐用年数、OSのサポート終了、サーバー性能が不十分で新たな要望に対応できないなどの課題がありました。

概要

 今回のリニューアルでは、「大分県遠隔画像伝送システム」にて使用してきた①救急車内の映像、②救急車の位置情報、③心電図の3つのシステムの連携を強化したクラウド統合型救急支援システムを構築しました。これにより、すべての情報を同一のアプリ内で同時に閲覧でき、一目で状況を知ることができるようになります。
 また、 県下すべての消防本部と、災害拠点病院や地域中核病院などを含む主要24病院がシステムを導入したことで、県下全域で同システムを使用することが可能となりました。
 重要視されたのは将来の拡張性。共有すべき情報が増えた際も、システム連携のしやすいクラウドを採用したことで、今後連携システムが増えても、医療機関に大きな負荷を与えずに追加することができます。
 

大分県遠隔画像伝送システム連絡協議会 会長/ 大分大学医学部附属病院 医療情報部・病院長補佐(ICT・危機管理担当) 下村 剛 教授より

 今までは刻々と変化する患者の様子を随時言葉で伝えあっていましたが、画像を共有できれば、医師は患者の様子からすぐに状態が分かりますし、暴れていれば対応スタッフを増やす、胸骨圧迫をしていれば心肺蘇生の準備をするなど事前に備えることができます。さらに情報の均一化にも繋がり、救急搬送におけるタイムロスを減らせると期待しています。遠隔画像伝送システムを全県的に導入しているのは全国でも大分県だけですので、先進的な取り組みとして、他の地域にも波及していければと思っています。
 救急隊員からは、「正確に伝えられているという安心感があり、目の前の処置に集中できる」などと好評を得ています。今後も改良を続けて、救命率の向上に努めていきます。

今後の展開

 インフォコムは医療機関や製薬企業向けにITサービスを提供するヘルスケア事業を重点事業領域の一つに位置付け、製品/サービス機能の強化や品質向上、競争力強化に取り組んでいます。医療機関への納入経験を活かし、今後ともICTを活用した災害・救急医療への取り組みを推進していきます。

以上

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