── 育児休暇からの復帰はスムーズにいったのでしょうか?
平井:復帰自体はスムーズで、出産と同じSI営業職として現場に戻りました。ただ、仕事と育児の両立は想像以上に大変でした。以前と同じように仕事をこなそうとしてしまい、常に「時間が足りない!」と焦りながら全力疾走する日々が続き、いつのまにかいっぱい一杯に……。社内の産業カウンセラーに相談したところ「身体は一つしかないから、完璧にしようと思わないで7割で仕事をしましょう」と言っていただいたことで、気持ちを切り替えることができました。仕事も内勤の営業事務に変えてもらい、今はだいぶ余裕を持って仕事ができるようになりました。
中野:出産等のライフイベントを経ても女性が仕事を続けていくための制度はいろいろ整備されていても、それが現場でどのように運用されるか、ということはまた別ですよね。そういう意味では、社内で上司や同僚に何でも言える、相談できる雰囲気があるか否かは大きなポイントだと思います。その点インフォコムは心配ないかもしれませんね。
井上:そうですね。ただ「上司に何でも言える雰囲気」も大切ですが、その上司の立場により多くの女性がいると、今よりもっと会社は良くなるのだろうな、という思いもあります。管理職クラスの方々の世代は、女性が出産後もフルタイムで働く事例は今よりずっと少なかったと思います。ですがこの数年で女性の意識も働き方も大きく変わりました。私達の世代が頑張って、5年後10年後に、女性がもっと活躍する組織を担う立場になっていたらいいなと思います。
中野:いつも「キャリアアップしたい、偉くなりたい」って言っていたのは、そういう意味があったんですね。
井上:「何でも言える」より「自分で決められる」ほうがいいですから(笑)。