2008年11月26日から28日まで開催された国内最大の「第10回図書館総合展・学術オープンサミット」で、MLA市場(博物館/美術館・図書館・公文書館)に向けたデジタルアーカイブ事業※の連携構想を発表した、インフォコム株式会社デジタルアーカイブシステム部図書営業グループの三須信幸です。
この構想は、インフォコムが提供する「Hello Library」※や「InfoLib」※などのシステムやサービスを使って、大学や国公立の図書館、公文書館、博物館、美術館など、それぞれが個別に持っているデジタルデータを一つにつなげて、横断検索やシステム的な連携をできるようにするためです。
例えば「ピカソ」と検索すると、どこの美術館にどの作品が展示されているのかが分かったり、どこの図書館に行けば絶版になっている本が貸出可能であるかを見つけられたり、あるいは、ピカソに関する論文をウェブ上で閲読することができたりするものです。
学校や図書館の関係者にお話を伺うと、最近は何かを調べるとき、インターネットのグーグルなどで検索して、ページの最初に出てきたサイトだけを見て調べたつもりになっている人が多く、検索してヒットしないと、すぐに諦めてしまう人が多いそうです。しかし、この連携により、膨大な情報量の中で埋没しがちな、本当に有益な情報を効率よく取り出すことが可能になります。
そしてユーザーにとっての利便性だけでなく、図書館や美術館にとっても、それぞれが独自性を保ちつつ、高感度な層をターゲットに広く発信できるメリットがあり、「うちはキリスト教関連についての資料が充実している」「再生医療に関する情報はトップ」といった特異分野をアピールすることができます。
また、地方の美術館や図書館、郷土館などが連携することで、地域活性化や町おこしなどに役立てることもできます。
日本という枠組みだけでなく、グローバルに広げていくことも視野に入れ、国際規格に準じたものを搭載、多言語にも対応できるようになっています。
実際にインフォコムでは、2004年に岡山県の図書館、博物館などと連携し、地域の活性化を目的にした「デジタル岡山大百科」をサポートしたり、また、国立公文書館やアジア歴史資料センター、筑波大学などで、各館が稼働する基幹システム同士の横断検索を可能にするシステム連携を実現してきました。
米国に比べると、日本におけるデジタルアーカイブに対する取り組みは遅れています。しかし近年、政府主導で『デジタル文明開化プロジェクト』が組まれ、著作権に配慮しつつ、デジタル化した知的財産をネット上で公開し、未来につなげていこうという動きが出てきています。今後、デジタルアーカイブ事業の市場規模は拡大すると見込まれているため、インフォコムのITソリューションで、日本、そしてアジアをリードしていきたいと思っています。
※デジタルアーカイブ
歴史的・文化的資産や自然環境などをはじめ、さまざまな分野の情報をデジタル映像やデジタル文書として保存・蓄積したもの。デジタル情報として保存することで、後世への恒久的な継承が可能となり、ウェブを介して国内外に発信することも可能。
※「Hello Library」(ハローライブラリー)
完全Web対応の図書館業務のパッケージ・ソフトウェア
※「InfoLib」(インフォリブ)
主に電子図書館システムとして利用されるパッケージソフトウェア。リポジトリー(大学などの研究者が作成した学術成果物を収集、保存してデータベース化し、ネット上で広く公開するためのシステム)や貴重書画像、音声データ、動画などさまざまな電子資料などのデジタルアーカイブを簡単に管理・検索できる。