ADME Boxesは、手間のかかるデータ分析と入念に作り上げたエキスパートモデルに基づいて“生体に関わる物性”を評価するデスクトップ・ソフトウェア・モジュールです。
入力した2次元構造から各モジュール評価結果表示のほか、文献データとリファレンスを伴ったトレーニングセットから最も類似した構造を5つまで即座に表示します(Ionizationを除く)。
ADME Boxesは、エキスパート知識と直感的洞察を組み合わせた統計解析を使用し、現象の背後にある理由を説明するように努めたプログラムとなっています。
1. Oral Bioavailability (Human)
新規化合物のヒト経口投与におけるバイオアベイラビリティを、確率的手法と機械的手法を組合せて用いることにより予測します。
バイオアベイラブルである薬物は次の条件を満たす必要があります。
- 胃や腸における異なるpH下での溶解性
- pH>2 での酸加水分解耐性
- 受動輸送(passive transport)および能動輸送(active transport) による腸管膜からの吸収性
- 腸管内でのP-gp排泄耐性
- 肝初回通過効果耐性
バイオアベイラブルである可能性は、以下の各モジュール計算結果より導き出され、アラート表示されます。全アラートを基に、バイオアベイラブルである可能性(30%と70%カットオフ)を算出します。
また、各モジュールの専門ウィンドウにて評価詳細を見ることが出来ます(1st Pass、Stabilityを除く)。
Solubility
- Good solubility(25℃ 非緩衝溶液中): 電解質でLogSw > -4,非電解質でLogSw > -3 を示します。
- Moderate Solubility(25℃ 非緩衝溶液中) を示します。
- Very poor solubility(25℃ 非緩衝溶液中): 電解質でLogSw < -6, 非電解質でLogSw < -4.5 を示します。
Stability (pH<2)
- 胃の中で非常に速く分解する高反応性のある化合物にのみ割り当てられます。赤信号は、どんな蓋然論的予測も無視して“F(経口)<10%”であることを意味します。
Passive Absorption
- >70%のPassive Absorptionを示します。
- <30%のPassive Absorptionを示します。
1stPass Metabolism
- 初回通過効果を受けにくいことを示します。
- 初回通過効果が50%以上である可能性が高いことを示します。この場合、%F(経口)が40%を越す見込みは低いと考えられます。
P-gp efflux
- P-gp(P糖蛋白)基質であることを示します。特にCYP3A4で代謝される 化合物の場合、このファクターは非常に重要となります。
Active transport
- PEPT1、ASBTや他の酵素によって能動輸送されることを示します。このファクターは、単に%Fを増加させることができるため、赤信号は用いられません。

2. P-gp Specificity
- P糖蛋白(P-gp)基質性と阻害性を予測します。
- P-gp基質アルゴリズムには、1,000を越える化合物トレーニングセットを用意
- P-gp阻害剤アルゴリズムには、1,500を越える化合物トレーニングセットを用意
- P-gp基質と阻害剤の特定ルールに、イオン化傾向、分子サイズ、化合物の生物学的クラス(peptides, alkaloids,anthracyclines, etc.)を基にした分類モデル
- P-gp基質もしくは阻害剤である化合物の可能性を計算する統計的アルゴリズム
- 実験データを基にした分類分けは、類似構造のために表示
- 800以上のオリジナル出版物からコンパイルされたリファレンスデータ
<サブモジュール>
- P-gp Substrate Specificity
- P-gp Inhibitor Specificity
- P-gp Database

3. Solubility Predictor
6,500化合物を超えるデータセットを使用し、25℃純水中での溶解性(LogSw, mmol/ml)を予測し、全ての予測で95%信頼区間が計算されます。
溶解性-pHプロファイルを予測し、各種生理学的pHにおけるLogSを計算します。
Merck Index, Therapeutic Drugs等からコンパイルした10,000を超す化合物セットを使用 し、ドラッグライクな化合物の定性的な溶解性を予測します。
Solubilityデータベースから類似構造検索を行い、最も類似した上位5化合物を表示します。
<サブモジュール>
- Solubility in Pure Water
- Solubility in Buffer
- Solubility Database

4. Absorption
本モジュールは、ヒト腸管での透過性を機械的モデルにより予測します。
予測モデルは、透過性の細胞内経路(transcellular)・細胞間経路(paracellular)、および、化合物の異なった電離型に対する異なった率を考慮して計算します。
本モジュールは、下記の吸収関連特性を予測することができます:
- Maximum achievable human intestinal absorption (when solubility/dissolution is not a limiting factor)
- Jejunum permeability
- Caco-2 permeability
- Absorption rate (ka)

5. Distribution New!
与えられた化合物に関する、血漿タンパク結合率(% Plasma Protein Binding)、血清アルブミンへの平衡結合定数、 血漿中の見かけの分布容積を予測します。
<サブモジュール>
血漿蛋白結合率、血清アルブミンへの平衡結合定数を予測します。これらの結合プロパティは、親油性、イオン化定数、水素結合能など自動計算された物理化学的特性から予測されます。
化合物の見かけの分布容積を予測します。自動計算された物理化学的パラメタ、荷電状態、親油性、および水素結合能を予測モデルに利用します。

6. Absolv Predictor
Pharma Algorithms社とM. H. Abraham教授との両者の協力による製品です。
アブラハム・タイプ方程式からの様々な溶媒和に関連する特性の計算、およびそれらの計算に必要なアブラハム溶媒和パラメタの予測のために使用されます。
AbsolvモジュールはADME Boxesのインターフェイスを通じて利用できるようになりました。
- H-Bonding acidity parameter - a2H (A)
- H-Bonding basicity parameters - b2H (B) and b2O (Bo)
- Partitioning coefficient between gaseous phase & hexadecane - logL16 (L)
- Polarity/ polarizability parameter - p2H (S)
- Excessive molar refraction - R2 (E)
- McGowan volume - Vx (V)
<サブモジュール>
- Equation(計算式)
選択したAbrahamパラメタに対する、構造中の個々の原子の寄与を、色の強度で可視化します。
最大5つの化合物構造をAbsolvデータベースからリストアップして表示し、Abrahamパラメタの測定値や文献情報を付加します。
各種の溶媒-溶媒、ガス-溶媒などの分配係数を、100以上の定義済みAbrahamタイプ計算式、または、予測されたAbraham溶媒パラメタを使ってユーザが定義した式から計算します。
- Absolv DB(データベース)
全検索可能Absolvデータベースは、5000以上の化合物情報を保持しており、化合物名、CAS、登録番号、Abraham溶媒パラメタの文献値、文献情報を表示します。

7. Ionization Predictor
- ドラッグライクな化合物に偏った7,000を越えるトレーニングセット
- 多価電解質では、一価酸・塩基pKaを予測
- 生理的pH (cations, anions, zwitterions and non-ionized molecules) 下での異なるイオン様式を100分率にて計算
- イオン化グループの総数を評価
- 生理的に関連しているpH下でのLogD値を計算
<サブモジュール>
- pKa
- LogD
- (LogPは下のPhysicochemical Propertiesモジュールで計算)

8. Physicochemical Properties
以下の物理化学的特性を予測します。
- LogP
- TPSA
- No. of Rotatable bonds
- H-Bond Donors
- H-Bond Acceptors

9. Searchable databases
各計算モジュールに応じたデータベースが、リファレンス表示と共に用意されています(Ionizationを除く)。
Absorption Database
- 実験値を伴った817化合物を収録
- Passive absorptionを以下範囲にて分類表示
- Good: >70%
- Moderate :70%-30%
- Poor:<30%
%F(oral) Database
- 実験値を伴った723化合物を収録
- Human oral bioavailability実験値(平均値)を表示
- 臨床試験および総論に報告されたbioavailabilityの間隔を表示
Solubility Database
- 定性的及び定量的手法の実験値を伴った5,435化合物を収録
- 定性的溶解性指標を以下範囲によって表示
- Highly insoluble : Sw<0.1 mg/mL
- Insoluble : Sw<1 mg/mL
- Slightly soluble : Sw>1 mg/mlL
- Soluble : Sw>10 mg/mL
- 溶解性実験値を LogSw (mmol/mL)にて表示
- 溶解性実験値を Sw (mg/mL)にて表示
注:定性的評価および実験水溶性はしばしば異なるリファレンスから独立したデータとして利用しています。
したがって、必ずしもこれらの両方の情報を持っているとは限りません。
Absorption Database
- 5,000以上の化合物を収録
- 化合物名、CAS登録番号、Abraham溶媒和パラメタの文献値、リファレンス情報が含まれます。

対応フォーマット
SMILES, mol, skc(ISIS/Draw), cdx(ChemDraw), sk2(ACD/ChemSketch), ChemDraw, ISIS/DwawにOLE対応
構造表示画面部位をクリックすることにより、ADME Boxesがインストールされている同じコンピュータに設定されているChemDraw及びISIS/Drawが立ち上がり、連携して利用できます(各対応ヴァージョンはお問合せ下さい)。
- 【稼動環境】
- Windows 2000/XP
- Pentium 1Ghz以上
- メモリ256MB以上
- 140MB HDDスペース
- 800×600×16Bitディスプレイ
In silicoリード修飾・開発アルゴリズム作成ツール Algorithm Builder
薬物候補化合物の活性・物性モデル作成ツール QSAR Builder
毒性予測 Tox Boxes
DMSO液中の溶解性予測 DMSO Solubility Box
ADME物性・毒性予測(ネットワーク同時利用) ADME/TOX WEB
